なでしこ
いにしえの歌人たちが、なでしこを詠んだ歌はたくさんありますが、中でも大伴家持はなでしこ好きだったようです。家持が女性に贈った歌、逆に、家持が贈られた歌をいくつか紹介します。
○なでしこが その花にもが 朝な朝な
手に取り持ちて 恋ひぬ日なけむ
これは、大伴家持が坂上大嬢に贈った歌。
「あなたがなでしこの花だったらなぁ。
そうしたら毎朝手に取って愛でるのに。」
○秋さらば 見つつ偲へと 妹が植ゑし
やどのなでしこ 咲きにけるかも
これも、大伴家持が亡き妻を思って詠んだ歌。
「秋になったら一緒に見て楽しみましょう
といって妻が植えた
家のなでしこが咲いている」
家の敷地に咲いているなでしこを見て、
悲しみを新たにしているのです。
○朝ごとに 我が見る宿の なでしこの
花にも君は、ありこせねかも
笠郎女(かさのいらつめ)が
大伴家持に詠んだ歌。
「あなたさまが、朝私が見る庭の
なでしこの花であって下さればよいのに。」
家持は、結構モテたのねぇ・・・
○うら恋し 我が背の君は なでしこが
花にもがもな 朝な朝な見む
大伴池主が大伴家持に詠った歌。
「心から慕うあなた様が、
なでしこの花でしたらいいのに。
そうしたら毎朝見るのに。」
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